公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団 (理事長:安藤 宏基、以下 安藤財団)と日清食品株式会社 (社長:安藤 徳隆、以下 日清食品) は、一昨年に引き続き米国の世論調査会社であるギャラップ (CEO:Jon Clifton) の協力のもと調査を実施し、「食」と「ウェルビーイング*1」の間には強い関係性があることを改めて立証するとともに、その結果をまとめた「Nourishing Wellbeing」(食とウェルビーイングの関係性レポート2023 年版) を発表しました。
「食」 の満足度は 「ウェルビーイング」 向上の重要指標であることが明確に
「食」は健康を支える土台だと当たり前のように考えられていますが、「食」と「ウェルビーイング」の直接的な関係性は長年明らかになっていませんでした。そこで安藤財団と日清食品は、『「食」は「ウェルビーイング」を構成する重要な要素である』という仮説のもとギャラップとともに一昨年調査を行い、「食」と「ウェルビーイング」の関係性を世界で初めて明らかにしました。
今回行った調査でも、『食事に満足している人は、満足していない人に比べて、「ウェルビーイング」を実感する可能性が1.71 倍高い』『「食」は「収入」と同様に「ウェルビーイング」を構成する重要な要素である』ことが明らかになり、「食」と「ウェルビーイング」の間には強い関係性があることが改めて立証されました。また、「食」の満足度と「QOL (Quality of Life)」に関する4 つの社会的関連指標*2 にも結び付きがあると立証されたことで、「Food Wellbeing Index」自体がより強力な社会的関連指標であることが裏付けられました。
さらに、『若年層を中心に世界的に「食」の満足度が低下している』ことも新たに明らかになっています。専門家は、世界的に家族団らんの機会が減少したことや、国内において親子の関係性が希薄化したことが背景にあると指摘しているほか、「食」を楽しんでいる人の割合が高くない日本の状況について、家庭や教育現場で「ウェルビーイング」を高めるための教育や啓発が必要だと提言しています。
安藤財団と日清食品は、今回公開した調査結果をもとに、「ウェルビーイング」の向上につながる「食」のあり方を大学や国際機関などと連携しながら探究していきます。
*1 個人の心身や社会が良好で満たされている状態のこと。「自分が幸福であるかどうか」「自分の人生にどの程度満足しているか」などの質問に対する回答を通じて把握する「主観的ウェルビーイング」と、「GDP」「健康寿命」「犯罪発生率」など定量的指標で把握する「客観的ウェルビーイング」に分かれる。
*2 生活の質に関連する4 つの指標 (人生評価指標、肯定的体験指標、社会生活指標、コミュニティ愛着指標) のこと。